よく、税理士と公認会計士を混同されている方が少なくありません。
また、会計事務所は税理士なのか公認会計士なのかと言う疑問を持たれる方もいらっしゃいます。
これらは、別のものでありその違いは理解された方がよいものと言えます。
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税理士
税金に関する相談・代理・書類の作成(確定申告など)を独占して行える資格です。
たとえ無償であっても税理士でない方がこれをしている場合は罰せられます。
これらの業務に付随して記帳代行や経営アドバイスと言った事をする方もいらっしゃいますが、
それは資格とは関係なく行っているものであり、あくまで税金の専門家といえます。
もちろん税金のみならず、いろいろと勉強をされている方もいらっしゃるので、
各個人により税務以外の業務を行っている方はたくさんいらっしゃいます。
基礎的な会計科目(簿記、財務諸表論)と税法科目3科目の試験を通り、
かつ実務経験を一定以上有している方、税務署のOBや公認会計士、弁護士、
税法系を学習した大学院卒の方が税理士会に登録することで
この資格を持つことができます。(平成26年現在)
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公認会計士
会計監査を独占的に行える資格です。公認会計士でない方がこれをしている場合は罰せられます。
大きめの企業や特殊な法人(幼稚園や社会福祉法人など)に勤めていらっしゃらない方にはなじみがないかもしれませんが法令で「公認会計士の会計監査」を受ける事が定められていたりします。
また、公認会計士になるには、
1、高度な会計科目(管理会計(原価計算や利益計画など)、財務会計(簿記、財務諸表論を含))、
2、租税法、
3、監査論、
4、企業法(商法、会社法、金商法など)、
5、選択科目(経営学、統計学、民法、経済学から1つ)
の試験(マーク式と論述式)を合格後、一定の実務経験と、実務補修所(学校のようなところで、以下の科目の講義と試験を実施)
1、会計実務
2、税務実務(国税審議会が水準(税理士試験合格者程度をめざす)を検証)、
3、経営実務(企業価値評価や倒産、会社関連法規、デリバティブ基礎・システム関係の基礎知識なども含む)、
4、監査実務ほか
を3年間通学のうえ修了試験に合格する必要があります。
試験科目に租税法がある事から分かる様に公認会計士は税理士会に税理士登録することで税理士業務が行えます。(平成26年現在)
また、試験科目からもわかる様に幅広い知識を活かして財務アドバイス(企業価値評価、財務デューデリジェンス、企業再生など)や経営コンサルティングを行っている方もいらっしゃいます。
しかしながら初めに書いたように、結局のところ日本では公認会計士という資格のみでは会計監査のみが独占業務となります。
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会計事務所
昔からの流れや、分かり易さ、便宜として「会計事務所」と言う名称にしているだけで、実際は税理士事務所や公認会計士事務所であることがほとんどです。
記帳代行のみであれば、資格は不要なので、もしかすると何の資格もない所が会計事務所と名乗っている可能性もないわけではありません。(ほとんどないと思いますが)
また、会計事務所の職員は全て資格を持っているわけでもなく、なんの資格もない方もいらっしゃるので留意が必要です。
ちなみに、税理士法人や監査法人といった言葉もありますが以下の通りです。
- 税理士法人
税理士業務をすることができる法人(会社)です。税理士がその出資者兼経営者となる必要があります。
普通の株式会社は税理士業務を行えず、いくつか法律上の規制があります。
- 監査法人
公認会計士業務をすることができる法人(会社)です。公認会計士がその出資者兼経営者となる必要があります。
普通の株式会社は公認会計士業務を行えず、いくつか法律上の規制があります。